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春のスイッチ

 お?春の気配?と思う日が増えてきた。太陽の光が少しづつ強くなり木の芽の蕾も少しふっくらしてきたよう。暗い中お弁当を作っていたのがその時間明るくなってきた。近所の猫がフギャーと恋の季節を迎えている。何者かがポチッ、ポチッと春のスイッチを押して回っているようで面白い。
 そんな中、今年もまた去年の秋に収穫して部屋に置いていた(凍らないように)かぼちゃが腐り始めた。もっと早くに食べればいいのだけれどこれが見たくて。(笑)毎年すごいと思うんだけど、そろそろ春が来そうだなという時期になると時限装置が付いているとしか思えないくらい確実に腐り始める。春に合わせて自分の体を腐らせ、それを栄養にして中のタネを育てる時限装置。ああ、野菜って本当にすごいなあ。倉庫に吊るして置いておいたニンニクも芽を長く伸ばし始めた。ジャガイモも発芽した芽を伸ばし始める。みんな着実に命をつなぐようにしゅくしゅくと動き始める。ああ、すごい。すごすぎる。
 さてさて、春に向けてみなさんは何のスイッチをポチッと押しますか?私もおしりがムズムズしてきたぞー。あーそういえば日記書いてないー。(汗)
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このくらいなら皮をむけばまだまだ食べられる!
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春になったら種芋として植えよう。
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小さいけれどニンニクが育つと助かる。
1片を植えると、丸く8片とかになるのすごくない?!

# by ponchimemo | 2022-02-19 13:06 | 日記

信じる余白

20年くらい前、神奈川県の海沿いの道を助手席に元夫を乗せ車で走ってた。しばらく走りながら海を見ていた彼がポツリと
「あー日本は妖精少ないねえ。。。」
と言った。
「え?妖精?いるの?ハムくん見えるの?」
「あー見えるっていうか、感じるっていうか。。でも少ないね。」
とのこと。彼の母国のタンザニアは多いのだそう。何で少ないのか尋ねると
「うーん、多分、日本は信じる人が少ないから。」
と彼。(えーと、信じる人が少ないと少ないという意味は妖精が信じられるを糧にして生きていて、信じる人が少ないから生きられないのか、それとも信じられないと辛いからいなくなるのか。)うーぬ。そういえば北欧の方は信じる人が多いからかトロールの話がたくさんあるよなあ。。
 彼の故郷の海辺の町は呪術で有名なところで、今はどうだかわからないが当時は医者より呪術師の方が多いと言っていた。病気を直すのも、夢を叶えるのも、逆に人を貶めるのも、ややもすれば殺すのも呪術でやっていたらしい。その呪術も妖精の力を借りたりするので本当に妖精と繋がった生活だったんだなあと思う。かくいう彼も青年期に若い妖精に入り込まれて、ご飯も食べず、仕事にもいけず、死にそうになったことがあると言っていた。どうしてそんなことになったの?ときいてみるとこういうことだった。
 ある日海に行った夜、眠ると夢に綺麗な妖精が出てきた。とても可愛くて気が合いすぐに好きになったそう。そしたら毎晩夢にその妖精が出てくるようになって夢の中で遊んだりご飯食べたりすごく幸せな時間を過ごすからずっと眠くて寝たくて日常生活ができなくなってしまった。しばらくそんな生活をしてだんだん具合が悪くなり、このままいくと命も危ないという話を風の噂にきいて心配したお父さんが彼を呪術師に見せた。するとこれはとても念の強い妖精に入り込まれているからうまくいくかわからないけれど、3日間これを寝る前に飲ませなさいと祈祷した薬を出されたらしい。彼はその妖精に会えなくなるのが悲しくて飲みたくなかったけど、仕方なく薬を3日間飲んで寝た。毎晩、妖精が夢に出てきたけれど、なぜか彼に近づけず、すごく遠い場所でこっちを見ていて泣いていて、3日めにとっても悲しそうな顔をして薄くなり、そして消えたそう。3日目に目を覚ましてからは2度とその妖精は出てこなくなり、彼も日常生活ができるようになったとか。
 うーん。不思議な話だ。でもあると思う。というのはタンザニアに行ったから。あの場所のように人間が大地と繋がって生きていればそういうこともあるんだろうなあと思う。
 その数年後、日本で大切な友人が病気になった。私はちょうどその頃タンザニアに里帰りをするつもりだったので、ならばその呪術で彼女を助けてもらおうと娘二人とタンザニアに行った。でも、呪術の村へ向かう途中に音楽を体験するため滞在したバガモヨの村で
「呪術で祈ることもできるけど、ここでは人の祈りであなたの友達を助けることができる。どちらを選ぶかはあなたが決めたらいい。」
と言われた。呪いか、祈りか。友達の顔を思い浮かべ、やっぱり祈りがいいとその村の人の祈りにお願いすることにした。
朝からよく晴れのその日、村の人たちが街の中にある教会に集まってくれた。まず、全員で円になり手を繋いだ。神父さんが彼女の写真と服(呪術に必要なので持ってきていた)を持ち、村人に彼女の名前、住んでいる場所、病気のことを伝え、神父さんがスワヒリ語で多分「○○さんは治り、元気になって生きていきます。神様、お願いします。彼女をお助けください。」みたいなことを喋り始めると、手を繋いだ人々が口々にあったこともない友人の名前を叫び祈り始めた。私も、私の娘たちも心から彼女のことを思い祈り、みんなの祈りが交錯して登り始め、どのぐらいだろう?みんなの声が共鳴して一つの大きな祈りの塊みたいになっていて最後にわーっと彼女の名前を同時に叫んだ!!すると

ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

天に穴が開いたのか?!と思うほどの雨が降ってきた。さっきまで雲ひとつない晴れだったのに。
私はびっくりして顔を上げると神父さんが
「ああ、祈りは通じました。天と地を雨が繋いでいます。」
と。ああ本当に通じたんだ、と思えた瞬間だった。その後、友達は元気になった。モチロンそれが理由かはわからないし、でも元気になってよかった!!!
 目に見えるものが全てでもなく目に見えないものが全てでもない。でも。でもあるんだと思う。私たちが判っていると思っていることを超える何かが。
それを信じる余白を自分に残しつつ、これからも生きて生きたいなあと思った体験だった。
 私はそこまでスワヒリ語はわからないので皆さんの言葉がわかるわけもなく、こんな体験ができたのもいつもケニア在住のガイドの宮城さん(ヤギちゃん)が通訳してくれるからだ。そこに住む人と私たちを繋いでくれるヤギちゃんは生きる雨だね!!ヤギちゃんを浴びて、繋いでくれていつも気持ちいい旅ができる。いつもありがとう!ヤギちゃん!!!!!ああ会いたい!!!!!
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アフリカの大地と共に生きてる宮城裕見子さん(ヤギちゃん!)
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 旅の指指し会話帳 ケニア版の著者でもある!



# by ponchimemo | 2022-02-15 22:05 | 日記

妄想トリップ

ブログを母が読んでくれている。最近よく書いてるじゃない?という母に「あー仕事も少なくなって暇だからさー」とライン電話しながら言ってはっとした。暇だからもあるかもだけど、書くのがが好きだからだなあと気づく。文章を書くことも、歌詞を書くことも、曲を書くことも、好きだ。好きだからやってるんだなあと思った朝。
 先日もそういえばもうすぐ高3になる娘が家で作曲している私に「楽しそうでいいねえ」と言ってくれたので「楽しいよー。仕事なんだか遊びなんだか」と言ったら「最高じゃん」と笑っていた。本当、ありがたい。
 暇だからやっていることもある。それは『妄想トリップ』。
 以前、近所の友達が今は行けないけどすっかり行くつもりでネット上でチケット取るつもり(取らないけど)で値段調べたり、宿はどこがいいかなーと調べたりして楽しいのー!と言っていたことがあったけど、やってみるとかなり楽しい。昨日もまだ行ったことがないモルディブに妄想で行ってきた。気持ちよかったー。憧れの水上コテージはベットの下でチャプチャプ音がして眠れなかったので明日からは陸上コテージにしようと思う。って全部妄想だから。
 海外旅行といえば私が高校生の頃だったと思うが、365日農業の仕事で1日も休まない父が突然「世界を見れば変わる!家族で海外に行くぞ」と言った。思えば物心ついた頃から父は仕事仕事で家族旅行の記憶がない。母と毎年夏に鳥取にある母の実家へは行っていたが父はいなかった。なぜ父が突然??とも思ったが嬉しいのでついて行くことにした。
 最初の年に行ったのはマレーシア。だったと思う。湿気を帯びた熱ーい空気と、見たこともない空、海、植物、食べ物。そして綺麗な人々。マジで感動した。本当に世界は広いんだなー。ここと私の住んでいる日本が同じ地球上にあるなんて不思議だーともう寝るのも惜しいくらいの日々だった。その日々の中で1日、インドネシアのボロブドール遺跡を見に行くツアーがあった。飛行機で行ったのだけれど、帰りに乗った飛行機が乱気流に巻き込まれた。ガーンと右上に引っ張り上げられたと思えば揺れながら下へ下へ。また右へがーん!枯れ葉のように舞う飛行機。初めての海外旅行で飛行機に乗るのもほぼ初めての私は隣の母の手を握って「大丈夫、大丈夫だから。」と言いながら自分を落ち着かせようとしていたが、もうダメだと思った。ちょっと前に配られた飲み物は全て床に落ち、左右に降られて飛んでいるというより飛ばされていた。(もうあかん、世界なんか見にくるんじゃなかった。)と思った時突然前方から笑い声が。。。顔を上げると父がシートベルトを外して立ち上がっていた。
『わーっはっはっはっはっ!!!降りまーす!わし、ここで降りまーす!!」
はっきりとした日本語で喋っている。(気が動転しておかしくなったのか?)すると今度は父の隣に座っていた白髪の紳士も立ち上がり
「わーっはっはっはっ!!」
と父と肩を組んで笑い始めた。
(え?)
キャビンアテンダントの女性も立ち上がって制止できない中、木の葉のように揺れる飛行機の最前列で肩を組んで笑い続けるおじさんたち。
『どん!!!』
その時大きな音がして落ちたのか?と思ったら着陸していた。はー怖かった。拍手が起きた。はあ、怖かった。。。
飛行機を降りて父に
「さっきはどうしたの!?」
と聞くと
「いやー、危ないけえ降りとうなってのう!無事についてよかったのう」
と言って笑った。全くもって訳のわからない行動だったが、降りるときにたくさんの人たちに父は声をかけられていた。多分父とおじさんに機内全ての人が救われたんだと思う。世界を見に行って父の奇行を見てしまった私。和ませようとかそんな高尚な気持ちでやったんではなく、本当に降りようと思ったのだからすごすぎる。でも父よ、どんな時でもシートベルト外して立ち上がってはいけない。とにかく何もなくてよかった。。。。。はあ。
 それから1年に1度、父の海外旅行は続いていき父の武勇伝(?)は続いて行くのだけれどそれについてはどれもすごすぎて(汗)またおいおい書いてみようと思う。
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おみやげ屋さんでカニの被り物を見つけドヤ顔で近づいてきた父。お客さん、それ売り物ですから。


# by ponchimemo | 2022-02-10 09:23 | 日記

ダルマストーブくん!

今朝は意味もなく早く目覚めたので、ダルマストーブくんで朝ごはんを作ってみようとやってみた。夜の煮物やシチューなどは使っていたけれど、朝はお弁当やらなんやらでバタバタしているのであまり挑戦していなかった。まずはやかんをかけていつも通りお湯を沸かす。白湯のぶんを湯飲みに入れ、残りの湯をポットへ。それからお味噌汁。具材は残り少なくなってきた去年の晩秋に収穫した長ネギ、大根、もたいさんお油揚げ、わかめ。干し椎茸と昆布、煮干しとともにストーブへ。その間に白湯を飲みつつ豆乳ヨーグルトを準備。ご飯は炊飯器で炊けている。(次回は炊飯もやってみたいが火加減が難しいかな)そうこうしていると、お鍋からプーンと煮えてきたいい香り。お味噌を用意しつつ、卵とソーセージを用意。今日は目玉焼きにしよう。と言っても目玉焼きが卵かけごはんの次に好きなので、いつも目玉焼きになってしまう。お味噌汁を降ろして味噌を入れる。そしてフライパンをストーブへ。卵を一つ、ソーセージを一つ入れてフタ。ばちばち音がする。案外火力あるんだなあ。水を入れてフタフタ。ああ、冷蔵庫から大好きな山わさびの白醤油漬け、ハリハリ漬け、納豆、あと、山わさびに欠かせないのり、梅干しを出してスタンバイ。あ、お皿とお椀とお茶碗と。ポットのお湯で濃いめの緑茶を。さあ、朝ごはん。はあ、幸せいただきました。
 案外20分くらい多めにみればこれでもできるんだなあと実感。どのくらいダルマストーブくんがやれるのか春まであとすこし、色々試してみることにしよう。よろしくね!うちのR2D2ダルマストーブくん!!
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うちのR2D2ダルマストーブくん!



# by ponchimemo | 2022-02-09 09:41 | 日記

なばな

長野に移住して10年がたった。よく考えてみたら生まれてこのかた同じ家に10年住んでるのは初めてだー。
 長野に来たのは子どもたちが小学2年生の春。3月末だから温かいだろうとたかをくくっていたら毎日一桁台の気温で、暖房器具は何もなくみんなでブルブル震えていたのを思い出す。どうやってしのいだんだっけな。窓辺に飾った花の花瓶がキラキラしていてよく見たら水が凍ってた!なんて日もあったっけ。(笑)長野で3月末はまだ春じゃないんだーと思った思い出。冬から春へ変わる時期で畑もまだ冬の顔。そんな中で黄色の菜花があちこちで見え始め、近所のOさんに菜花をもらって茹でて食べた。じんわり苦い。でもなんだか体内のあちこちから春を喜ぶ声がわーっと聞こえたあの瞬間。懐かしい。家もまだ他人行儀で空気も初めましてって感じだった春。もう10年かあー。
後から友人にきいてわかったことだけど、長野の人は何も野菜のない春に食べるために前年度の秋、わざわざ菜花のタネを撒いているらしい。その菜花を日々食べながら季節と一緒に歩いているのだ。それを聞いてから私も毎年、秋に全ての菜っ葉を食べてしまうのではなく、春用の菜を残すようにしている。それがやってみたら非常に面白い。というのも菜っ葉によって菜花の味が違う。小松菜、白菜、野沢菜、青梗菜、みんな菜花が咲くがみんな味が違う。近年では菜花同士で交配してしまい、どれでもない菜花まで咲くようになった。白菜はやや甘く、野沢菜はガツンと辛め。だけど、そのガツンが体の中の細胞の窓をあけ、ドアをあけ、風を入れて
「春ですよー!みなさん、溜め込んだもの、出してスッキリしましょうー」「吉田さんー春ですよー」「山田さん、お久しぶりですー」体内あちこちにある集合住宅が大賑わいになる。
 今はまだ2月なので春にはまだまだだが立春の日、畑のことでお世話になっているHさんからふきのとうをいただいた!「もう?もう出てるんですか!?」と興奮する私に「日当たりのいい早めにふきのとうが出る場所があるのー」とHさんが教えてくださった。心の中にふいーっと春のかぜが吹く。天ぷらか。味噌汁か。いっそ、このままパクッと。。。悩んで悩んで結局、天ぷらにした。カラッとあがったふきのとうに塩をちょっとつけてパクッ!んー窓があく。ドアがあく。春に向けてそういう日々が繰り返されることが嬉しい。くまも春が近づくとこんな気持ちなのかしら。。まだ雪のある山を見上げる。
 くまと言えば、最近リモート授業になっている娘の国語の授業が楽しくて、日々後ろで受講している。今やっているのが宮沢賢治の『なめとこ山の熊』小十郎のこと、熊のこと、荒物屋のこと、資本主義、仏教、生について、死について。高校生が発言する内容がすごく面白い。みんな、よく考えているなあと思う。先生もみんなの想いをつなぎながら授業されていていつも引き込まれてしまう。「あー発言したい!」という私に娘は呆れていますが。。
  それから熊といえば5年くらい前に買ったこの本すごく面白かったので熊に興味がある人、ぜひ読んでみてください。オススメ。
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ちくま文庫


# by ponchimemo | 2022-02-07 16:27 | 日記

ちいさい日記


by ponchimemo